今日も気ままに

散歩、天気、カフェ、アート、好きなものを気ままに綴っていこうと思います。

【アート】高松次郎ミステリーズ(東京都国立近代美術館)

近代~現代アートが好きです。

この時代の作品は写実主義から離れ視覚を刺激してくれるものが多く、個人的に見ていて飽きません。アーティストが作品に込めた意味を読み解くのが好きで、タイトルや制作物を眺めながらアーティストの思考過程をイメージします。それから美術館の解説を見て「はー、なるほど。」と答えあわせをするのが楽しみなのです。美術を専門的に学んだ訳ではないので技術的な知識は無いのですが…。

 

昨日職場の近くにある東京都国立近代美術館へ足を運びました。金曜日は夜20時まで開館しておりいつか入ろうと考えていました。入り口でいきなりこれですからね。

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Marc Quinn さん(1964-) の神話(スフィンクス)という作品。

これを観て早速色々と考えてしまいます。スフィンクスといえば古代エジプトで代表的なシンボルのひとつ。確かライオンの体にファラオ(王)の顔を組み合わせていたはず。ということは美女の顔と体は、実は別々のものなのだろうか…。ダルシムストリートファイターに出てくる手足が伸びるキャラクター)みたいなポーズとってるし。うーん分からん。などと想像が膨らみます。

いろいろ考えを巡らせたところで、美術館の解説で答え合わせをします。(正解はぜひ美術館に立ち寄って確かめてください。玄関に飾ってあるので入場料は払わなくても鑑賞できるはず。この作品は巡回ものらしく、2015/3/31-からは京都国立近代美術館へ移動するようです。都内在住で気になった方はお早めに。)

 

こんな楽しみ方をするので作品を鑑賞するのに時間が掛かってしまいます。

 

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夜の竹橋。

 

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橋を渡るとすぐ美術館が見つかります。かっこいい石彫りもあるのですが、暗闇に浮かぶあの巨大な白い像が、先に目に飛び込んでくるんですよね…。

 

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今回は高松次郎さん(1936-1998)の作品が展示されているとのこと。存じ上げておりませんでしたが、(私の知識少なさが伺えます…。)ミステリーズというタイトルが付いているくらいですからね。さぞかし謎解きには事欠かないことでしょう。

 

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スタートの作品群のコンセプトは「影ラボ」。ここのみ写真撮影が許可されていました。

この作品のコンセプトは次元の上げ下げ。椅子という三次元の物体を、影という二次元へ落とし込むという作品です。影だけを見ると元の物体(椅子)の情報はかなり失われますが、この椅子実は一定の速度で回転しています。様々な方向から光を当てた影を壁へ映し出すことで、立体の姿を再イメージできる作品に仕上がっています。

高松さんは東京藝術大学絵画科(油画専攻)だそうですが、数学や物理にも深い造詣があったそうです。

 

光と影という題材といえば、James Turrell(1943-)さんを思い出しました。

南寺 | 家プロジェクト | ベネッセアートサイト直島

金沢21世紀美術館 | ブルー・プラネット・スカイ

瀬戸内国際芸術祭には2013年の夏、金沢へは同年冬に訪れましたが、どちらも楽しい空間でした。また訪れたいなぁ。Turrellさんは数学・地質学・天文学を学びアメリカ航空宇宙局研究所での勤務経験もお持ちということで、やはり数学や自然科学の知識が作品に表れている方です。

 

影ラボを抜けるとここからは撮影禁止。

広い真っ白な空間に作品が並べられていました。絵画や造形物中心ですが、先ほどとはがらっとイメージが変わります。そして作品ひとつひとつ読み解くのが難解です。

先ほどの作品群と同じく次元の上げ下げを意識した絵画(夜空をキャンバスに見立てると近い星も遠い星も2次元の平面に描かれているように見える。これと同じようなことを再現しようとした作品)や、単なる石やガラス片を集めた集合体に意味を持たせた作品など。

個人的な感想を言うと、仕事あがりの疲れた脳には少しヘビーでした。そういう状況を美術館スタッフは予想していたのでしょうか。担当キュレーターによる解説が行われており、みな耳を傾けていました。作品が気になった方は下記のHPを参考にしてみてください。

展覧会情報高松次郎ミステリーズ(東京都国立近代美術館公式HP)

独立行政法人国立美術館・所蔵作品検索

 

そしてこの2部屋で高松次郎作品展は全てです。少ないなぁ…と思いましたが、900円のチケットには以下の展示も付いていたのでついでに鑑賞してきました。

展覧会情報所蔵作品展  「MOMAT コレクション」

展覧会情報奈良原一高 王国

 

2-4Fまであり広い展示スペースを贅沢に使っています。そして圧倒的な静かさ。来館者も少なかったため非常にゆっくりと鑑賞することができました。

 

ご興味を持たれた方は一度訪れてみてはいかかでしょうか。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

それではまた。